建具の豆知識
蝶番を修理するならDIYでカンタン&安く済ませよう!修理法まとめ
ドアを閉めたとき、「なんだか上手く閉められない」と感じたことはありませんか?
よく調べてみると、ドアがぐらぐらと上下に動く。そういえば最近、「ギーギー」ときしむような音がしていた。そのような不調は、ドアを支える大切な金具「蝶番(ちょうつがい)」が原因かもしれません。
このコラムでは、扉のぐらつきや異音の改善方法はもちろん、蝶番についての知識やDIYの方法もご紹介します。お家のドアを快適に使用できるよう、参考にしてください。
修理の前に…蝶番の役割をおさらい
蝶番を修理する前に、「蝶番とはどのようなはたらきをする金具なのか」ということを確認しましょう。蝶番を設置する意味や、その役割を知ることで、よりスムーズに修理をおこなうことができます。
蝶番は扉の開閉時に必要な金具
蝶番は、一本の芯の左右に、それぞれ平たく四角い金具が取り付けられています。この金具を開いた状態で見ると、蝶が羽を開いているように見えるため、「蝶番(ちょうつがい)」と呼ばれているのです。
蝶の羽のような部位は、一方はドア、もう一方は壁に取り付けられます。中央の芯を軸にしてドアの開閉がおこなえるようになるのです。
蝶のかたちをしたものが一般的ですが、少し複雑な「アングル蝶番」や「スライド蝶番」という種類もあります。一般的な蝶番に比べて、微調整がしやすいのが特徴です。
扉の閉まりが悪い理由は蝶番にあるかも
「きちんと閉まっていたドアが、急に閉まらなくなった。」または、「閉まるけれど、ドアの下の部分が床をこすってしまう。」などの不調が出てきたときは、蝶番の不調を疑いましょう。
一般的に、ドアと扉をつなぐ「羽」の部分はネジでとめられています。長期間ドアの開閉を繰り返すことによって、徐々にネジがゆるんでしまうのです。ネジのゆるみが大きくなると、扉の重みでバランスを崩し、ドアが閉まりづらくなってしまうのです。
観音開きのドアなどは、蝶番の調節を間違えると、扉と扉がぶつかってしまうこともあります。蝶番は、ドアの使い勝手を左右する、大切な金具だということを覚えておきましょう。
【症状別】蝶番をDIYで修理する方法
蝶番はDIYで修理することができます。「DIY」とは、専門職以外の人が物を作ったり、修繕することを指します。不調の度合いによっては、素人の手でも直すことができるのです。これから蝶番の直し方を、症状別で解説していきます。どうぞ参考にしてください。
扉がぐらついている
ドアのトラブルで多いのが、扉のぐらつきです。原因は、前章でも説明したとおり、ネジのゆるみであることが多く、放っておくと床を傷つけてしまうおそれがあります。
このようなトラブルは、ネジを締め直すことによって解決します。蝶番によって、ネジの大きさが違うので、大きさにあったドライバーを用意しましょう。手を挟まないように気を付けながら、作業してください。
ネジを締め直してもぐらつきが直らないこともあります。経年劣化によって、蝶番に不具合が出てしまうのです。そうなると、ネジの締め直しだけでは改善されません。ぐらつきが改善されないときは、新しい蝶番に交換してください。
扉を開閉するたびに「ギーギー」と音がする
長年使っていると、どのようなドアでも劣化していきます。古い家のドアなどは、開閉するたびに「ギーギー」という、耳障りな音が鳴りますよね。この音を何とかしたいときは、蝶番に潤滑剤(じゅんかつざい)を塗布するとよいでしょう。
この音は、蝶番の潤滑剤が減ったことが原因で鳴っています。時間が経つにつれて、また何度も使用することによって、潤滑剤が徐々にすり減ってしまうのです。それを補ってあげることで、音が鳴るのを防ぐことができます。
防錆潤滑剤は、ホームセンターやインターネットで販売しています。スプレータイプの、細いノズルが付いたものを使用するといいでしょう。蝶番の芯の部分に潤滑剤を吹き掛け、ネジを締め直してください。
扉がきちんと閉まらない、床を擦っている
扉がきちんと閉まらないのは、建て付けに問題があります。蝶番を設置する位置を確認してみましょう。蝶番の位置は、すべて一直線状にありますか?前や後ろに曲がって設置されていませんか?もし曲がっているときは、正常な位置に設置し直してください。
また、蝶番が壊れていないかどうかの確認も必要です。金具である蝶番は、時間を経るごとに劣化していきます。
錆びが進行したり、ダメージが重なることによって、羽の部分が折れ曲がったり、芯が歪んでしまうのです。注意深く観察し、壊れていたら新しいものと交換しましょう。
揃えておきたい!DIY専用道具
蝶番のDIYをするときに、揃えておきたいグッズをご紹介します。別の用途にも使用できるものばかりなので、揃えておくとよいでしょう。
ドライバー
蝶番のネジを締めるときに使用します。蝶番によってネジの大きさが異なるので、DIYしたい蝶番に合った太さのドライバーを用意しましょう。
カッターナイフ
蝶番の不調は、ネジ穴のゆるみが原因で起こることもあります。そのようなときは、木材をカッターナイフで削り、ネジ穴に詰める作業が必要です。厚みがあり、頑丈なカッターナイフを選びましょう。木材用の接着剤も、合わせてご用意ください。
床や壁を守る緩衝材
不調の度合いによっては、蝶番をすべて交換する必要があるかもしれません。そのようなときに気を付けたいのが、扉の取り外しです。扉は、意外と重さがあります。
「扉を取り外したはいいものの、支えられずに倒して床を傷つけた」
「扉の角で壁紙を傷つけてしまった」
などということにならないよう、周囲の建材はきちんと保護しておきましょう。緩衝材は、100均などで売られているものでかまいません。面倒ではありますが、大切なお家のために施しましょう。
自力で修理できないときは、プロの手を頼ってみよう!
自分で修理をしても直らないときは、プロに頼ることをおすすめします。DIYよりもお金はかかりますが、症状が改善する可能性がグンと上がります。また、作業に慣れた人が手掛けるため、格段にきれいな仕上がりになることでしょう。
自分で作業する際は、DIYに必要な材料や道具を揃えなくてはいけません。DIYをするための時間を確保し、そのための前準備も必須です。プロに依頼することで、そのような手間をはぶくことができるのです。
業者によっては、無料で修繕費用の見積もりを出すところもあります。DIYするかどうか悩んでいる方は、一度見積もりをとることをおすすめします。金額や作業プランを比較し、検討することで、納得のいく選択ができるでしょう。
まとめ
ドアは、私たちの生活で頻繁に使用します。だからこそ、ドアに不調はつきものです。特にドアのトラブルで多いのが、蝶番の不具合によるものです。
ドアの開閉を何度もおこなうと、少しずつ蝶番のネジがゆるんでいき、不具合が起こります。また蝶番は金属でできているため、経年劣化してかたちが変わってしまうことがあります。ドアの不調を感じたときは、蝶番を確認して直していきましょう。
「少し音が鳴るけど、まあいいか」などと悠長にかまえていると、どんどんダメージが蓄積していきます。最悪の場合は、ドアの開閉ができなくなってしまいます。不具合は早めに直しておきましょう。
蝶番の修繕は、DIYでおこなうことができます。自分で作業することに不安がある方は、プロに依頼するといいでしょう。迷っている方は、見積もりをとり判断してください。