建具の豆知識
玄関ドアを引き戸に交換するメリットとは?工事にかかる費用相場
玄関ドアを交換して引き戸にしようと検討している方は、引き戸の特徴や種類をあらかじめ理解しておくことが大切です。引き戸は、横にスライドすることでドアを開閉させるシステムのドアのことをいいます。開き戸に比べて体をひねることがなく開閉がしやすいため、バリアフリーに適していることでも知られています。
引き戸についてあらかじめ理解しておくことで、失敗を防ぐことができるだけでなく、自分の好きなデザインや種類にして、こだわりをもった引き戸を選ぶことが可能です。
さらに、本コラムでは実際に玄関ドアを交換して引き戸にするときの費用相場などもご紹介しておりますので、業者に依頼してみようかと検討している方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
玄関を引き戸にするメリットとデメリット
ここでは、玄関ドアを交換し、引き戸にするメリットとデメリットについてご紹介します。「長所は短所」ということわざがありますが、これは引き戸にもいえることです。引き戸に交換してから「こんなはずじゃなかった」ということがないよう、事前にチェックしておきましょう。
引き戸のメリット
引き戸に交換するメリットには、主に以下の3つがあります。
・利便性が高い
引き戸は開けっ放しにしておくことができるので、スーパーで買い物をした荷物を運ぶ場合や大きな家具を運ぶときなどに便利です。
また、先ほども少しだけ触れましたが、開けっ放しにできるという特徴があるため、バリアフリー効果も注目されています。たとえば、車いすで家に入るとき、開き戸の場合は扉を押さえながら入る必要がありますが、引き戸であれば少しの力で全開にすることができます。
・せまいスペースでも設置可能
開き戸は、開ける際に前後に扉を動かします。つまり、扉が限界まで開く場所までスペースを確保しておく必要があるのです。その点、引き戸は横にスライドさせるだけなので、比較的スペースをとりません。
たとえせまいスペースであっても設置することができるのが特徴的です。玄関の周りを観葉植物や雑貨などで充実させたいという方も、引き戸なら開閉の際にぶつからないので、実現が可能です。
・通気性が良い
玄関の前が道路の開き戸の場合、開けっ放しにしておくことが難しい構造になっていますしかし、開き戸であれば道路に扉がかからないので全開にすることができます。外の空気を入れ込んで換気がしやすくなり、快適な室内を保つことができるでしょう。
引き戸のデメリット
多くのメリットが期待される引き戸ですが、反対にデメリットもあります。
・気密性が低い
開き戸は扉とドア枠が密着しており、開きづらいという特徴があります。その反面、引き戸は開き戸に比べて隙間が多く、気密性が低いです。そのため、夏場は通気性もよく涼しいものの、冬場は冷えてしまうのです。ほかには、防音性にも劣るというデメリットもあります。
・防犯性に劣る
気密性の高い開き戸に比べて、引き戸は開きやすいことが特徴的です。引き戸の開放的なところは長所でもありますが、防犯面では開き戸に劣ってしまいます。解決策としてはピッキング被害に遭わないように、防犯性の高いシリンダーキーにしたり、ツーロックにしたりなどの工夫によって、カバーすることができます。
玄関引き戸の種類
これまで、玄関ドアを交換して引き戸にすることで、一長一短があることがわかりました。そんな引き戸ですが、種類によって特徴が異なることをご存知でしょうか。ここからは、引き戸の種類についてご紹介します。実際に引き戸を選ぶときに活用してみてください。
玄関の引き戸の種類
玄関の引き戸の種類には、以下の4つあります。
・引き込み戸
戸を引くきことで、壁の内側へしまうことができるものです。
・片引き戸
玄関などで主に使われており、左右どちらかにすべらせて開閉させます。
・引き違い戸
戸が2枚あり、左右どちらともにすべらせることができるものです。
・引き分け戸
エレベーターの扉のようなイメージです。左右を移動させて開閉します。
玄関の引き戸のデザイン
引き戸のバリエーションは戸の種類だけでなく、素材や設置の仕方も多岐にわたります。これも引き戸の魅力のひとつです。
戸は木製、もしくはアルミ色なのか、レールは足元に敷くのか上に吊るのか、欄間つきのものを選ぶのか……など、引き戸とひと口にいってもデザインの幅が大きく広がります。
玄関ドアを交換して引き戸に使用と考えている方は、自分好みの引き戸にしてみるのもよいかもしれませんね。
玄関ドアを引き戸に交換したときの費用相場
引き戸のメリット・デメリット、種類やデザインについてご説明をしてきました。引き戸について理解を深めたうえで、ここからは実際に玄関ドアを交換して引き戸にするときの費用相場を解説します。
交換の方法はさまざま
玄関ドアの交換工事といっても、方法はさまざまです。たとえば、今ある引き戸の上に新しいレールや枠をはめるのか、玄関のドアを丸ごと引き戸に変えたいのか……。このように、それぞれ修理の仕方が変わってくるので目的に合わせた修理をする必要があります。
もしも、レールや戸車など交換したいという場合は、部分修理を依頼しましょう。レールや戸車はゴミや汚れが溜まりやすい場所でもあるので、大体の場合は汚れを取り除いたり、新しいレールや戸車に交換したりすることで直してもらえます。
また、もともとあったドア枠に新しい枠をかぶせるカバー工法の場合、1日で作業が終わるだけでなく、床や壁などにぶつからないので安心です。
部分修理は簡単なことが多いのですが、開き戸から引き戸へ全替えする際は、作業の際にドアのサイズによるよっては、枠の調整工事なども含まれます。「自宅の開き戸は引き戸に交換できるの?」といった悩みがあるときは、事前に業者と相談しておくことで不安を取り除くことができるかもしれませんね。
工事にかかる費用
玄関引き戸本体の費用は、どういった工事をするのかによって異なります。一般的な引き戸本体の価格は1.5万円から3万円です。それを前提にしますと、引き戸から引き戸へ交換する場合は約4万円から10万円ですが、開き戸から引き戸へ交換する場合は約20万円と費用相場が高くなるのです。
費用相場の差は、スタンダートな素材を選ぶのか、機能性やデザイン性に富んでいるものなのかによって変動します。また、枠も一緒に交換する場合はさらに費用が加算されます。
このことから、玄関ドアを引き戸にするために業者を依頼すると、価格に差があることがわかるのではないでしょうか。できるだけ費用をお得に抑えるためにも、相見積りをとるなどの工夫をしてみましょう。弊社も無料でのお見積りをご提供させていただくことが可能です。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にご利用くださいませ。